長期間価格の改定(値上げ)も行わず、新商品を継続的に投入しながら、まじめに経営を続けてこられました。経営内容は健全ですが、営業利益は10%を大きく割り込んでいました。
※製造小売業です。卸は行わず、自店舗のみで販売しています。当然価格決定権は自社にあります。営業時間の設定も自由です。
■当初の与件と仮説は…
- 価格を改定します。平均で3~5%以上値上げします。
- アイテムを絞ります。5%~7%以上絞り込みます。
- 毎週定休日を設けます。営業時間を14%短縮します。
- 売上横ばい以上、営業利益+5%以上が目標です。
◆原価表と単品ごとの売上データを確認しながら、一品ごと商品を確認します。
製造部門と販売部門、社長も交えて丁寧に議論を行い、答えを出します。
ただし、「平均3~5%以上の値上げ」と「アイテム5~7%以上の絞り込み」は 必達目標です。
製造部門と販売部門、社長も交えて丁寧に議論を行い、答えを出します。
ただし、「平均3~5%以上の値上げ」と「アイテム5~7%以上の絞り込み」は 必達目標です。
◇以下のような意見が飛び交います。
・値上げを決めようとすると、「高くしたら売れません。」
・商品を切ろうとすると、「お客様が望んでおられます。」
一つ一つ事実かどうかを検証します。
・値上げを決めようとすると、「高くしたら売れません。」
・商品を切ろうとすると、「お客様が望んでおられます。」
一つ一つ事実かどうかを検証します。
◆時間帯別売上高を確認しながら、曜日ごと、時間帯ごと、時期(旬や月初・月末等)ごとの売上推移を確認します。
定休日の設定、営業時間の短縮を模索します。ただし、「定休日の設定」は必達目標です。
定休日の設定、営業時間の短縮を模索します。ただし、「定休日の設定」は必達目標です。
◇以下のような意見が飛び交います。
・「お客様にご不便をおかけしてしまいます。」
一つ一つ事実かどうかを検証します。
・「お客様にご不便をおかけしてしまいます。」
一つ一つ事実かどうかを検証します。
必達目標を厳守しながらも、丁寧に時間をかけて、恐る恐る…の気持ちで進めます。
■結果は…
- 価格を改定します。平均で3~5%以上値上げします。⇒平均で3%の値上げ実施!
※一部のアイテムは高すぎるとの判断から値下げしました。 - アイテムを絞ります。5%~7%以上絞り込みます。⇒5%絞り込み実施!
- 毎週定休日を設けます。営業時間を14%短縮します。
⇒週2日、各2時間営業時間を短縮。当初目標大幅未達です。 - 売上横ばい、営業利益+5%以上が目標です。
⇒改定後3ヶ月平均で、前年同期比売上2%増、前年同期比営業利益4%増です。
平均3%の値上げ、アイテム5%カット、営業時間週4時間の短縮に対して売上は2%増です。客数が若干減じています。ただし、営業利益は4%増、確実に積み増しできました。
改定直後のデータですので、継続して確認する必要がありますが、悪くなる趨勢はありません。
これからも毎年、同様のプロジェクトを継続する予定です。
■絞り込み&値上げ(SP経営、Simple&Profitable)プロジェクトはたいへん有効です。
- 価格を改定します。
- アイテムを絞ります。
- 営業時間を短縮します。
- 売上横ばい、営業利益+5%以上が目標です。
繰り返しになりますが…
◎「日本の企業は顧客の声を聞きすぎる。顧客の過度な要望への対応は、企業を疲弊させ、低生産性の元凶になっている。顧客を神さまと勘違いして、過剰な対応を行うということは、一方で、自社の経営と社員を疲弊させることになる。顧客に提供するサービスの内容と、負担いただく価格のバランスが、国全体として崩れてしまっていることが、日本の生産性を著しく低くしてしまった。〔お人好し症候群〕が起点となり、〔分散症候群〕と〔安売り症候群〕が常態化している。…」
SP経営協会は上記の仮説に確信を持っています。